工業製品

イギリス滞在中にホストマザーとイラン人留学生と3人で車のステイタスの話になりました。

一番ステイタスの高い車は何か?

私は、車のことは、詳しくないんですが、「ベンツだ」とこたえました。

するとイラン人は「別にそんなのはステイタスは高くない、

だって、そこらじゅうに乗ってる人がいる。

一番ステイタスが高いのは、BMWだとこたえました。」

やっぱり石油を持っている国というのは、違うなと思いましたが、

私がもっと驚いたのは、ホストマザーのこたえでした。

ホストマザーは、「確かにベンツもBMWも確かにステイタスが高い。

しかし、一番ステイタスが高いのは、日本の車だ」と言いました。

名前を忘れちゃったんですが、日本の企業が作っている高級車が

一番ステイタスが高いと言っていました。

日本の車は、壊れにくいし、排気ガスもきれいで

環境に良いからその高級車だけではなく、

日本の車は、全体的にステイタスが高いと言っていました。

私は、日本の車が海外の車よりもステイタスが高くなることは、

考えたこともなかったので、ものすごい衝撃を受けました。

その後も工業製品の話は続きました。

あれが良い、これが良いといっては、最終的に日本の企業が

作っている物だという結論に落ち着き、その度になぜか、

2人とも私のことを見直すのでした。

別に私が作っているわけでは、ないのに。

しかしこれは、よくあることです。

日本人は、海外の人からすると子供っぽく見えるし、

英語を書いたり、読んだりすることは、得意なのに、スピーキング

となると苦手なひとが多いので、一見、英語ができないのかな?

と思われるので、なんとなく馬鹿にされます。

そこで私達の地位を対等な位置に留めてくれるものが工業製品です。

イギリスの田舎のほうでは、中国人に対して差別があると3カ月ぐらい

イギリスに住んでいる友人が言っていました。

中国では、イギリスに留学するとすごく尊敬され、

良い職につけるので、みんなイギリスに来たがる。

でも中国の物価に比べるとイギリスの物価は、ものすごく高いので、

少しでも物価の安い田舎に滞在する人が多い。

それでも、イギリスで暮らしていくのはすごくたいへんで

犯罪に走ってしまう人が多いそうです。

それで中国人は悪いことをするというイメージがついてしまい、

中国人を嫌う人が増え、差別に結びついているそうです。

日本人と中国人は外見が一緒なので、私の友人も中国人

と間違えられ、差別をうけることがあると言っていました。

しかし、日本人だということがわかれば、大丈夫らしいです。

同じ東洋人なのになぜこんなにも待遇が違うのでしょう。

それは、やはりお金を持っているかどうかだと思います。

日本人が犯罪に走らないのは、お金があるからです。

犯罪に走った中国人だって、好きで犯罪者になっているはずがありません。

お金がなくてどうしようもなくなって犯罪に走るのだと思います。

じゃあ、なぜ日本人は、お金を持っているのか?

なぜイギリスの物価が日本のそれよりも1.5倍なだけでおさまっているのか?

いろんな理由があるだろうけど、日本が工業製品の分野で

世界に通用するものを作り、貿易黒字を出しているという事実は、大きな理由の

ひとつだと思います。日本に工業製品がなければ、今の日本人に対する

扱いは、ないと思います。こうやって考えていくと、

なぜ日本人がたくさん勉強するのか?

競争社会と言われるような社会になってしまったのか?

が理解できるような気がします。

日本には、資源がないし、イギリスほど観光資源もない。

世界で一つの国として、尊厳を保って行くために頭を磨く道を選んだので、

同じようにその方法を選んだ国々と競争していくことになります。

それに適応してきた社会が今までの競争社会です。

今、競争社会がみなおされ、ゆとり教育が始まっています。

でも世界では競争が続いているのだから、日本の中でだけ

競争をゆるめた場合、それは日本の工業製品が世界競争の中で生き残って

いけないことを表していると思いませんか?

将来、工業製品の衰えた日本を世界が対等に扱ってくれるのでしょうか?

でも、確かに競争社会は、問題もたくさんあるので、難しいところです。

こんなふうに工業製品の大切さを認識した私でしたが、そこで新たな疑問が!?

日本の中で儲かる職業って、医者、弁護士、一部の社長、一部の芸能人とかですよね。

工業製品の研究者が儲かるっていうイメージはないですよね。

私は大学で工学部に通っているんですが、研究者が儲かるなんてイメージは

全くないです。医者も弁護士も日本に外貨をもたらすわけではありません。

研究者はこんなに日本に貢献しているのに、日本に最も外貨をもたらす職業なのに、

別に儲かるわけでは、ありません。そこがおかしい点だなと思いました。

それぞれの国の通貨の価値が違うのもおかしな話ですが。

人類は差別や戦争などの間違いをおかして、それを直してきました。

それは、過去に片付いてしまった話ではなく、今も世界には、

おかしなことは、たくさんあるんだなと思いました。

日本で研究者がその成功報酬を十分に受け取っていない問題は、

最近、脚光をあび、改善への第一歩を歩み出しましたね。

企業の中で信号機などにつかわれる、新しい電気製品を開発した人が、

十分な報酬をうけとれなかったと、自分の会社を訴え、

裁判所は、200億円をその研究者に支払うよう、会社に命じました。

こんなふうにおかしな点も少しずつ変わっていくんですね。

海外に行くとちょっとした会話から大きな発見を得て、

普段は考えないようなことを考えることができます。(^^)。




                                  
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